失業保険の求職活動実績は何回必要か|給付制限が何か月かで変わります
失業保険(資料の中では「基本手当」と書かれます)の認定日(=失業の認定を受けるためにハローワークへ行く日)が近づいて、必要な求職活動実績の回数を調べると、「2回」と書いてあるものと「3回」と書いてあるものの両方が見つかります。 どちらが自分に当てはまるのかは、そのままでは分かりません。
この記事では、必要な回数が何によって変わるのかを、都道府県労働局と厚生労働省の資料から確認します。 主に扱うのは、自己都合で退職して給付制限がある方の回数です。給付制限が付かない方は、回数の「初回認定日」と「その他の認定日」の行が対応します。
この記事で分かること
- 必要な回数は、認定日の種類と、給付制限が何か月かで変わります。給付制限(=厚生労働省の資料では、待期期間の満了後に基本手当が支給されない期間。資料が挙げているのは1か月・2か月・3か月)を先に確認してから、回数を確認します
- 神奈川労働局の資料は、初回認定日は1回以上、その他の認定日は原則として2回以上、給付制限1か月と2か月の後は2回以上、給付制限3か月の後だけ3回以上と書いています。1か月の場合を書いている資料は、確認した5労働局のうち神奈川労働局だけでした
- 給付制限が何か月になるかは、退職日と離職の理由で変わります。厚生労働省の資料は、退職日が令和7年(2025年)4月1日以降なら原則1か月、同年3月31日以前なら原則2か月、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けた場合は3か月、重責解雇なら3か月と書いています
- 雇用保険説明会に出ただけでは実績になりません。沖縄労働局の一覧で求職活動1回に相当するとされているのは「初回講習」で、「説明会だけ受講した場合は該当しません。」と注記されています。民間の転職サービスへの単なる登録も実績になりません
先に結論です。必要な回数は、全員に共通する1つの数字ではありません。
都道府県労働局の資料は、必要な回数を認定日の種類と給付制限が何か月かで書き分けています。 ですから「全員が2回」でも「全員が3回」でもありません。
確かめる順番は2つです。 まず、手順1として、自分の給付制限が何か月かを確認します(厚生労働省の資料)。 次に、手順2として、その月数で必要な回数を確認します(都道府県労働局の資料)。
手順1|自分の給付制限が何か月かを確認します
回数を確認する前に、自分の給付制限が何か月かが分かっている必要があります。 まず、給付制限とは何で、誰に付くものなのかを、厚生労働省の資料で確認します。
雇用保険の被保険者が正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、基本手当の受給資格決定日から7日間の待期期間満了後1~3か月間(注1)は基本手当を支給されません(「給付制限」といいます)。
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」(LL070228保01)(2026-08-18 取得)
ここで押さえておきたいのは2つです。
1つめ。この文が給付制限について書いているのは、「正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合」です。 あわせて、下に引用する注1が重責解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合)にも触れています。 会社の都合で離職した方がこれに当たるかどうかは、今回確認した資料からは読み取れません。
2つめ。待期は7日間です。「受給資格決定日から7日間の待期期間満了後」と書かれています。給付制限は、その7日間が終わったあとに続く期間です。
その給付制限が何か月になるかを、同じ資料の注1が条件ごとに書いています。
(注1) 給付制限は、退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月です。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合、給付制限は3か月となります。また、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇(重責解雇)された場合、給付制限は3か月です。
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」(LL070228保01)注1(2026-08-18 取得)
この注1を、条件ごとに並べ直すと次のようになります。元号には西暦を添えました(令和7年は2025年です)。
| あてはまる場合 | 給付制限 |
|---|---|
| 退職日が令和7年(2025年)4月1日以降である場合 | 原則1か月 |
| 退職日が令和7年(2025年)3月31日以前である場合 | 原則2か月 |
| 退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合 | 3か月 |
| 自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇(重責解雇)された場合 | 3か月 |
表の中の「原則」は原文の言葉です。1か月と2か月には「原則」が付いていて、3か月の2つには付いていません。 「原則」と書かれている以上、そのとおりにならない場合があり得ます。ご自身がどれに当たるかを判断するのは、管轄のハローワークです。
手順2|給付制限の月数で、必要な回数を確認します
神奈川労働局が受給者向けに配っている資料には、必要な活動回数が5つの場合に分けて書かれています。原文をそのまま引用します。
★必要な活動回数について
初回認定日の方→資格決定日(雇用保険を申請した日)~初回認定日前日までに1回以上
給付制限(1ヶ月)後の最初の認定日の方→給付制限の初日~次回認定日前日までに2回以上
給付制限(2ヶ月)後の最初の認定日の方→給付制限の初日~次回認定日前日までに2回以上
給付制限(3ヶ月)後の最初の認定日の方→給付制限の初日~次回認定日前日までに3回以上
その他の認定日の方→前回認定日~次回認定日前日までに2回以上
※以上の求職活動実績が不足している場合、その認定日の対象期間について、雇用保険の基本手当が受給できなくなります。
出典:神奈川労働局「(R7.8) 雇用保険受給者のみなさまへ」(2026-08-18 取得)
| 認定日の種類 | 必要な回数 |
|---|---|
| 初回認定日の方 | 1回以上 |
| 給付制限(1ヶ月)後の最初の認定日の方 | 2回以上 |
| 給付制限(2ヶ月)後の最初の認定日の方 | 2回以上 |
| 給付制限(3ヶ月)後の最初の認定日の方 | 3回以上 |
| その他の認定日の方 | 2回以上 |
この回数は、法律の条文で確かめたものではありません。都道府県労働局が公表している案内資料に書かれているものです。 この記事では条文にあたっていないので、「法律で2回と決まっている」という書き方はしません。
給付制限が1か月の場合の回数を書いている資料として確認できたのは、上の神奈川労働局の資料だけです。 今回あわせて確認した愛知労働局・沖縄労働局・北海道労働局の資料は、給付制限が1か月の場合を分けて書いていません。 ですから、上の表を全国共通の基準として示すことはできません。お住まいの地域を管轄する労働局・ハローワークの案内もあわせてご覧ください。
2か月と3か月の場合については、他の労働局の資料でも同じ回数が書かれています。愛知労働局の資料は次のとおりです。
原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回以上の求職活動が必要です。ただし、3か月の給付制限がかかる方は、待期満了後から給付制限経過後の最初の認定日の前日までに3回(給付制限期間が2か月の場合は2回)以上の求職活動が必要です。それ以外の方は、待期満了後から最初の認定日の前日までに1回以上の求職活動が必要です。
出典:愛知労働局「○求職活動実績について」(2026-08-18 取得)
沖縄労働局のしおりも、同じ構造で書いています。求職活動実績という言葉の説明も、ここにあります。
仕事探しの方法には、ハローワーク等が用意した各種メニューはもちろん、新聞広告やインターネットでの求人情報の検索や、知人への紹介依頼等、さまざまなものがありますが、基本手当の支給を受けるためには、客観的に確認することができる仕事探しの実績が必要になります。この実績のことを「求職活動実績」といいます(求職活動実績として認められる活動は次ページ参照)。
基本手当の支給を受けるためには、求職活動実績として認められる活動を、原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間中に、最低2回以上行うことが必要となります。
また、給付制限がある場合には、この給付制限期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間中に、原則として求職活動実績として認められる活動を最低3回以上(給付制限期間が2か月の場合は、最低2回以上)行うことが必要となります。
出典:沖縄労働局「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」17ページ(2026-08-18 取得)
この沖縄労働局の書き方には、注意すべき点があります。
引用の3段落目は、給付制限がある場合をまず「最低3回以上」と書き、2か月の場合だけを例外にしています。 この書き方をそのまま給付制限1か月の人に当てはめると3回になり、神奈川労働局の資料(1か月は2回以上)と食い違います。
このしおりは、給付制限が1か月になる場合が設けられる前の版です。目次に「9 離職理由によって、2か月(3か月)の給付制限があります」とあり、1か月の場合を想定していません。 給付制限が1か月の方は、1か月の場合を明記している資料か、管轄のハローワークの案内でご確認ください。
なお、この記事で沖縄労働局のしおりから引用しているのは、回数の書き方、実績になる活動の一覧、認定日の間隔です。 給付制限が何か月になるかについては、上に書いた理由から、厚生労働省の資料だけを使っています。
初回の認定日までは1回以上です(給付制限を受ける場合を除きます)
初回の認定日までに必要な回数は、複数の労働局の資料で共通しています。神奈川労働局は「初回認定日の方→資格決定日(雇用保険を申請した日)~初回認定日前日までに1回以上」と書き、 愛知労働局は「それ以外の方は、待期満了後から最初の認定日の前日までに1回以上の求職活動が必要です。」と書いています。どちらも1回以上です。
では、給付制限がある人も「初回認定日の方」の行を見るのか。この点は、北海道労働局のハローワーク旭川のページに書かれています。
次のいずれかに該当する場合は、認定対象期間中における求職活動実績が1回あればよいこととされています。
〇 基本手当の支給に係る最初の失業認定日における認定対象期間(給付制限を受ける場合を除く)
出典:北海道労働局 ハローワーク旭川「失業の認定に必要な求職活動実績」(2026-08-18 取得)
「給付制限を受ける場合を除く」と書かれています。 つまり給付制限がある方は、初回認定日の行ではなく、ご自身の給付制限の月数に対応する行を見ることになります。
愛知労働局の書き方も同じ構造です。3か月・2か月の給付制限がかかる方についてまず書き、「それ以外の方は」1回以上、としています。
初回認定日までの1回について、沖縄労働局のしおりは「初回講習」を求職活動1回に相当するものとして挙げています。 ただしこれには注記が付いていて、説明会だけでは該当しません。あとの見出しで確認します。
回数がこれ以外になる場合もあります
ここまでは、認定日の種類と給付制限の月数による違いを見てきました。 ただし、必要な回数が変わる場合はこれだけではありません。北海道労働局のハローワーク旭川のページは、次のように書いています。
失業認定対象期間中に必要とされる求職活動実績の回数は原則として2回以上ですが、次のように、必要な求職活動実績の回数が異なる場合があります。
2か月間の給付制限を受ける方は、給付制限開始日から給付制限終了直後に指定されている認定日の前日までの間における求職活動実績が2回以上(3か月間の給付制限を受ける方は3回以上)必要です。
次のいずれかに該当する場合は、認定対象期間中における求職活動実績が1回あればよいこととされています。
〇 厚生労働省令で定める就職が困難な者である場合(障がい者等)
〇 基本手当の支給に係る最初の失業認定日における認定対象期間(給付制限を受ける場合を除く)
〇 認定対象期間の日数が14日未満の場合
〇 求人への応募を行った場合
〇 市町村の取次ぎによる失業の認定を受ける場合
公共職業訓練等の受講期間中や採否結果の通知を待っている期間など、求職活動実績が必要とされない場合があります。
出典:北海道労働局 ハローワーク旭川「失業の認定に必要な求職活動実績」(2026-08-18 取得)
回数は「認定日の種類」と「給付制限の月数」の2つだけでは決まりません。 就職が困難な方、認定対象期間が14日未満の場合、求人への応募を行った場合、市町村の取次ぎによる認定の場合も1回でよいとされ、 公共職業訓練等の受講期間中などは実績が必要とされない場合があると書かれています。
この5項目と訓練受講中の扱いは、神奈川労働局の資料には書かれていません。資料によって、書かれている場合分けの細かさが違います。
同じページには、数える期間についての記載もあります。
失業認定対象期間(認定日当日から次回認定日前日までの間)に必要な回数(原則2回以上)の窓口提出が必要です。この期間に求人検索をしただけでは求職活動実績になりません。
出典:北海道労働局 ハローワーク旭川「失業の認定に必要な求職活動実績」(2026-08-18 取得)
「3回」が必要になるのは、どういう人か
ここまでで見たとおり、労働局の資料には「2回以上」と書かれた行も「3回以上」と書かれた行も、どちらもあります。 そして「3回以上」が出てくるのは、給付制限が3か月の場合だけです。
給付制限が3か月になるのは、厚生労働省の注1によれば、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けた場合と、重責解雇の場合です。 退職日が令和7年(2025年)4月1日以降で、これらに当たらなければ、注1では給付制限は原則1か月です。神奈川労働局の資料で1か月に対応する行は「2回以上」です。
ここで正直に書いておきます。 いま書いた結び付けは、2つの別々の資料を並べて読んだ、私の整理です。 回数は都道府県労働局の資料、給付制限が何か月になるかは厚生労働省の資料で、出どころが違います。 1つの資料に「3回が必要なのは、5年間に2回以上自己都合退職した人と重責解雇された人です」と書いてあるわけではありません。 そのうえで、ご自身の給付制限が何か月かを確認したうえで回数を確認する、という順番でお使いください。
もう1つ、読むときに気をつけたい点があります。厚生労働省の注1は、退職日が令和7年(2025年)3月31日以前か、4月1日以降かで原則の月数を書き分けています。 つまり、いつの時点の話かによって前提が変わります。読んでいる解説がどの時点を前提にしているかを確かめてください。
雇用保険説明会に出ただけでは実績になりません
沖縄労働局のしおりの一覧では、「初回講習」が求職活動1回に相当するものとして挙げられています。その行には、次の注記が付いています。
説明会と一緒に開催する場合もありますが、説明会だけ受講した場合は該当しません。
出典:沖縄労働局「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」19ページ(2026-08-18 取得)
1回に相当するとされているのは「初回講習」であって、「説明会」ではありません。 同じ日に一緒に開かれることがあるため、出席した本人からは区別が付きにくいところです。
同じしおりの中でも、「初回講習セミナー」と「雇用保険説明会」は別々の日程・別々の持ち物として案内されています。 ただし、2つの内容がどう違うのか、地域によって名称がどうなっているのかまでは書かれていませんでした。 自分が出席した(これから出席する)ものがどちらなのかは、管轄のハローワークにご確認ください。
実績になるもの、ならないもの
沖縄労働局のしおりには、活動の例ごとに実績になるかどうかを示した一覧があります。まず、その凡例です。
◎=求職活動2回に相当します ○=求職活動1回に相当します ×=求職活動実績とはなりません
出典:沖縄労働局「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」19ページ「主な求職活動とその実績について」(2026-08-18 取得)
◎が付いた活動は、1回行うと求職活動2回に相当するとされています。 たとえば就職希望先の面接を受けに行った場合、それだけで2回に相当します。 通常の認定日に必要なのが2回以上ですから、◎の活動を1回すれば、その期間の回数を満たす計算になります。
ただし、同じ求人への一連の選考過程は、まとめて1回(2回に相当)です。足し算はできません(この点はこの見出しの後半で引用します)。
以下は、しおりの一覧を、判定ごとに3つに分けて書き写したものです。順番は原文どおりです。 原文には「備考・注意事項」の列もあります。主なものはこのあと引用しますが、全文はリンク先の資料でご確認ください。
求職活動2回に相当するとされている活動(原文の記号は◎)
- 就職希望先の事業所へ面接を受けに行った
- 就職希望先の事業所へ応募書類を送った
- 就職希望先の事業所の採用試験を受験した
- 職業紹介機関(注1)で職業紹介を受けた
求職活動1回に相当するとされている活動(原文の記号は○)
- 初回講習
- 職業紹介機関で職業相談をした
- 公的機関等(注2)による求職活動に関する指導、職業相談を受けた
- 再就職に役立てるため、求職活動支援セミナーや職業講習を受講した
- 求人説明会や職場見学会、集団面接に参加した
- 新聞広告、就職情報誌、インターネットで見た求人内容について、電話、FAX、電子メール等で問い合わせをした
- 再就職のために各種検定試験、資格試験、国家試験を受験した
- 前回の認定日までに応募していた事業所からの採否の結果通知があった
- 安定所(=ハローワーク)を通して公共職業訓練に応募し、その選考試験を受験した場合
- 教育訓練給付の指定講座を受講している場合
求職活動実績にはならないとされている活動(原文の記号は×)
- 求人募集が出ていないところへの問い合わせや登録
- 単に知人に紹介依頼をしただけ
- ハローワークの求人情報提供端末や求人ファイルで求人情報を見ただけ
- 新聞広告、就職情報誌、インターネットで求人情報を見ただけ
- 民間職業紹介機関に求職登録だけをした
- 労働者派遣機関に派遣登録だけをした
上の一覧は、沖縄労働局のしおり19ページ「主な求職活動とその実績について」の記載を、この記事で判定ごとに分けて書き写したものです。 表の項目名は原文のままですが、「安定所」だけは読みやすさのため「安定所(=ハローワーク)」としました。 注1・注2の定義は原文に次のとおりあります。注1:職業紹介機関…全国のハローワーク(船員については地方運輸局)、許可・届出のある民間需給調整機関(民間職業紹介機関・労働者派遣機関)/注2:公的機関等…高齢・障害者・求職者雇用支援機構、地方自治体(県・市町村)、求人情報提供会社、新聞社など
この一覧の「職業紹介機関で職業紹介を受けた」の行には、次の注記が付いています。
求人への応募は、一つの求人に係る一連の選考過程の場合は、すべて含めて求職活動実績1回(2回に相当)となります。
正当な理由もなく面接に不参加であった場合、故意に不採用となるような行為をした場合は1ヶ月の給付制限処分を受けます。
出典:沖縄労働局「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」19ページ(2026-08-18 取得)
1つの求人に応募して、書類選考・採用試験・面接と進んだ場合でも、まとめて「1回(2回に相当)」と書かれています。 ◎が付いている「面接を受けに行った」「応募書類を送った」「採用試験を受験した」を足し算していく読み方はできません。
引用の2文目に出てくる「1ヶ月の給付制限処分」は、この記事がここまで扱ってきた、離職理由による給付制限とは別のものです。 面接に正当な理由なく行かなかった場合などに対する処分について書かれています。同じ「給付制限」という言葉ですが、指しているものが違います。
1つの流れの中でも2回以上とみなす場合が、東京労働局の資料に挙げられています。
一連の活動だが、2回以上の求職活動実績とみなす場合
(1) 職業相談に引き続き職業紹介を受けた場合
(2) 職業相談に引き続き求職活動支援セミナーを受けた場合
(3) 求職申込みに引き続き職業相談を受けた場合
(4) 企業説明会等において複数の事業所と個別に面談を行った場合
出典:厚生労働省 東京労働局「失業の認定における求職活動実績となるもの」(2026-08-18 取得)
同じ資料には、実績にならない場合も挙げられています。
☆ 以下の場合は求職活動実績になりません。
① 単なるハローワーク、新聞、インターネット等で求人情報閲覧
② 単なる知人への紹介依頼
③ インターネット等による民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介事業への単なる登録
ただし、登録に際して希望条件面等について話し合う場合、具合的な派遣先や求人の提示があり、それに答える場合など、民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介事業との間でやり取りがあれば求職活動実績になります。
出典:厚生労働省 東京労働局「失業の認定における求職活動実績となるもの」(2026-08-18 取得)
引用の中の「具合的な」は、原文のままです。
神奈川労働局の資料には、活動の場所ごとに分けた早見表があります。原文には「本表はあくまで求職活動実績にかかわる代表例を挙げたものとなります。」という断りが付いています。 以下は、その早見表の内容を、この記事で場所ごとに書き分けたものです。
ハローワーク(※付属施設 ハローワークプラザ湘南、茅ケ崎市ふるさとハローワークなど含む)
- 活動実績になる代表例:窓口等での職業相談、紹介/就職支援のためのセミナー受講
- 活動実績にならない代表例:求人検索機の利用のみ/職業相談以外の相談(雇用保険など)
国からの許可・届け出のある紹介会社
- 活動実績になる代表例:対面や電話、オンライン等での職業相談、紹介/就職支援のためのセミナー受講
- 活動実績にならない代表例:求人情報の閲覧や登録手続きのみ/就職支援以外を目的としたセミナー受講(例:生活設計、子育て等)
国からの許可・届け出のある派遣会社
- 活動実績になる代表例:対面や電話、オンライン等での職業相談/求人へのエントリー/就職支援のためのセミナー受講
- 活動実績にならない代表例:求人情報の閲覧や登録手続きのみ/就職支援以外を目的としたセミナー受講(例:生活設計、子育て等)
公的機関等(地方自治体、独立行政法人等)
- 活動実績になる代表例:対面や電話、オンライン等での職業相談、紹介/就職支援のためのセミナー受講
- 活動実績にならない代表例:求人情報の閲覧や登録手続きのみ/就職支援以外を目的としたセミナー受講(例:生活設計、子育て等)
その他
- 活動実績になる代表例:求人への応募(電話、郵送、面接、インターネット等問わず)/個別相談ができる企業説明会等への参加/再就職に関連する国家試験、検定等の受験
- 活動実績にならない代表例:求人応募後の二次選考/個別相談ができない企業説明会への参加/インターネット、新聞広告、情報誌等での求人情報の閲覧のみ/知人への紹介依頼のみ
原文では、紹介会社・派遣会社・公的機関等の3つについて、「活動実績にならない代表例」が3行にまたがる1つの欄にまとめて書かれています。 この記事では場所ごとに読めるよう、同じ内容を3か所に書き分けました。内容は原文と同じです。 出典は神奈川労働局「(R7.8) 雇用保険受給者のみなさまへ」(2026-08-18 取得)です。
この早見表には、次の注が付いています。
※国からの許可・届け出の有無については、紹介会社等の HP などから許可番号を確認してください。
出典:神奈川労働局「(R7.8) 雇用保険受給者のみなさまへ」(2026-08-18 取得)
民間の転職サービスは、登録しただけでは実績になりません
転職サイトや派遣会社に登録すると、求職活動をした感覚になります。ですが、単なる登録では実績になりません。 この点は、複数の労働局の資料が同じ趣旨で書いています。
- 沖縄労働局の一覧では、「民間職業紹介機関に求職登録だけをした」と「労働者派遣機関に派遣登録だけをした」がどちらも×(求職活動実績とはなりません)です
- 東京労働局の資料は、「インターネット等による民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介事業への単なる登録」を、実績にならない場合として挙げています
- 神奈川労働局の早見表は、紹介会社・派遣会社について「求人情報の閲覧や登録手続きのみ」を実績にならない代表例として挙げています
一方で、登録の場でやり取りがあった場合については、別の書き方がされています。沖縄労働局のしおりの、×が付いた2行に対する注記です。
登録に際して、希望条件など話し合う場合、具体的な紹介先・派遣先の提示がありそれに応える場合など、民間職業紹介機関・労働者派遣機関と受給者との間にやり取りがあれば、「職業相談を伴ったもの」として求職活動実績1回となります。
出典:沖縄労働局「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」19ページ(2026-08-18 取得)
東京労働局の資料にも、同じ趣旨の但し書きがあります(前の見出しで引用したとおりです)。神奈川労働局の早見表も、紹介会社・派遣会社について「対面や電話、オンライン等での職業相談」を実績になる代表例として挙げています。
資料が実績になると書いているのは「登録したこと」ではなく、「職業相談などのやり取りがあったこと」です。 民間のサービス側で何かの手続きを終えたことと、求職活動実績として認められることは、別のことです。
そして、求職活動実績として認定するかどうかを判断するのは、民間のサービスではなく管轄のハローワークです。 この記事に出てくる回数も、実績になる活動の一覧も、労働局が公表している案内資料に書かれていることです。 ご自身の活動が実績になるかどうか、ご自身が何回必要かは、事前に管轄のハローワークにご確認ください。
次にやること
ここまでの内容から、認定日までにする順番を整理します。
- 自分の給付制限が何か月かを確かめます。退職日と離職の理由で変わります
- その月数で、必要な回数を確かめます。初回認定日は1回以上、その他の認定日は原則2回以上、給付制限1か月と2か月の後は2回以上、給付制限3か月の後だけ3回以上です(神奈川労働局の資料)
- 上の「実績になるもの、ならないもの」から、これから自分ができるものを選びます。雇用保険説明会に出ただけ、民間の転職サービスに登録しただけでは実績になりません
- 認定するのは管轄のハローワークです。数え方に迷うものがあれば、認定日を待たずに窓口で確かめます
出典(一次資料へのリンク)
- 厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」(LL070228保01)|厚生労働省の案内PDF(2026-08-18 取得。給付制限の定義と注1)
- 神奈川労働局「(R7.8) 雇用保険受給者のみなさまへ」|神奈川労働局の案内PDF(2026-08-18 取得。必要な活動回数と早見表)
- 愛知労働局「○求職活動実績について」|愛知労働局の案内PDF(2026-08-18 取得)
- 沖縄労働局「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」17ページ・19ページ|沖縄労働局のしおりPDF(2026-08-18 取得。給付制限が1か月になる場合が設けられる前の版です。ファイルの容量が大きいのでご注意ください)
- 北海道労働局 ハローワーク旭川「失業の認定に必要な求職活動実績」|ハローワーク旭川の案内ページ(2026-08-18 取得。1回でよい場合の列挙)
- 厚生労働省 東京労働局「失業の認定における求職活動実績となるもの」|東京労働局の案内PDF(2026-08-18 取得)
よくある質問
会社の都合で退職した場合も、この記事の表を使えますか。
給付制限の月数の表は、使えません。厚生労働省の資料は、給付制限を「雇用保険の被保険者が正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合」と「自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇(重責解雇)された場合」について書いています。会社の都合で退職した方がこれに当たるかどうかは、今回確認した資料からは読み取れません。一方で、回数そのものの表のうち「その他の認定日の方は原則として2回以上」「初回認定日の方は1回以上」の部分は、給付制限の有無を前提にしていません。ご自身に給付制限が付くかどうかを含めて、管轄のハローワークにご確認ください。
認定日は、どのくらいの間隔で来ますか。
沖縄労働局のしおりは「基本手当の支給を受けるためには、原則として4週間(28日)に1回の指定された日(これを失業の認定日といいます)に、必ずあなたご自身がハローワーク等へ来所のうえ、失業の状態であった(ある)ことを「失業認定申告書」で申告する必要があります。」と書いています。つまり「2回以上」は、おおむね4週間のあいだに2回以上という意味になります。ただし初回の認定日までの期間や、給付制限がある場合に数える期間は、これと同じ長さとは限りません。ご自身の認定日は、ハローワークで指定されたものをご確認ください。
認定日までに回数が足りないと、どうなりますか。
神奈川労働局の資料には「※以上の求職活動実績が不足している場合、その認定日の対象期間について、雇用保険の基本手当が受給できなくなります。」と書かれています。書かれているのは「その認定日の対象期間について」です。それ以外の期間がどうなるかは、この一文からは読み取れません。また、足りなかった分を次の認定日の期間に持ち越せるかどうかについては、今回確認した資料に記載が見当たりませんでした。回数が足りそうにないと分かった時点で、認定日を待たずに管轄のハローワークにご相談ください。